一読で終われない漫画「サマータイムレンダ 」読者がハマるその訳とは
SFサスペンスホラーアクションという新ジャンルを開拓した「少年ジャンプ+」で連載中の漫画「サマータイムレンダ」。今回この記事では、なぜサマータイムレンダが何度も読み返したくなるほど面白いのか、その理由について解説・紹介していきたいと思います。
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サマータイムレンダの概略
作者:田中靖規。ウェブサイトコミック配信およびスマートフォンアプリ「少年ジャンプ+」にて(2017年~)週一更新にて連載中。
サマータイムレンダ のあらすじ

Ⓒサマータイムレンダ
幼馴染である小舟潮の訃報を聞いた主人公の網代慎平は、故郷である和歌山県の離島「日都ヶ島」に帰省する。潮の葬儀の後、慎平は一人の旧友から潮の死は他殺だった可能性を示唆される。潮の死について疑念を抱きつつも故郷での帰省生活をはじめた慎平であったが、その帰省生活早々、島では潮の死以外にも一家失踪事件や影の病(いわゆるドッペルゲンガー)という不可解な現象が起きているという情報を得る。その情報について調べている途中、慎平と潮の妹「澪」は一緒に森に入り込むが、その森で二人が出会ったのは澪と全く同じ姿の「もう一人の澪」であった。「もう一人の澪」は拳銃を手にしており、澪は「もう一人の澪」に頭を銃で撃たれて死んでしまう。そして、次の瞬間、慎平も「もう一人の澪」に拳銃で頭を撃ち抜かれてしまうが…。
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サマータイムレンダ が繰り返し読みたくなる訳(見どころ)
幼馴染の死から始まるサスペンス

Ⓒサマータイムレンダ
サマータイムレンダは名探偵コナンや金田一少年の事件簿のようなサスペンス性が含まれている漫画です。SF要素や他の要素も含まれているために完全なサスペンスとは違いますが、そのサスペンス性から一度読み始めると続きが気になってしまい、なかなか読む手を止めることが難しくなります。主人公の幼馴染の潮の謎の死から始まり、一家失踪事件、「影」という謎の存在、そして主人公の網代慎平の死…。それらの要素がストーリーの冒頭から押し寄せてきて、読者は一気にその物語の中に引き込まれます。
また、サマータイムレンダは物語全体の構成が大方決まった上で書き進められている作品なので、物語序盤から練りこまれた伏線がいくつも登場します。
物語を読み進めていくとあとから、「あの時のあの描写(発言)はこういうことだったのか…」と感心させられることも多くあります。登場キャラクター達の意味深な発言や行動が頻繁に出てくるため、読む際にはついついじっくりと読み込みたくなってしまいます。そして、読み込む中で新しい発見があると、前のページや前の巻を取り出して事実確認をしてしまう、サマータイムレンダはそんな作品となっています。
読み進めたいけど読み進めるのが怖い、ホラー演出
と思わしき人物に慎平が銃で撃たれるシーンをはじめ、そのほかホラー作品とも感じ取れる、読んでいて怖くなる描写がサマータイムレンダの作中には頻繁に出てきます。
暗闇の中に立ちすくんでいる少女、包丁を持った女子中学生、人の頭に向かって振り下ろされる斧など、ホラーでグロテスクさも含んだ描写が物語の恐怖感をあおり、読み手にスリルな感情を抱かせます。
また、和歌山の離島が舞台のサマータイムレンダですが、そこで出てくる土着信仰(独自の宗教)の描写がさらに不気味さを増幅させています。神社や夏祭り、小さい港町の人通り少ない暗い路地で何が出てくるのかわからない恐怖。これらの描写があるために、物語の続きを早く読みたいけど、読むのをちょっと躊躇してしまう。サマータイムレンダを読んでいるとそんなジレンマに陥ってしまいます。少年漫画でありながらもホラーがしっかりと描かれているというのは、なかなか他の少年漫画にはない特徴的ポイントだといえます。
サスペンスホラーだけでなく少年漫画的要素もおさえている

Ⓒサマータイムレンダ
サマータイムレンダは前述のようなサスペンスホラー的要素だけでなく、「少年ジャンプ+」のアプリで配信されているだけあって、きちんと少年漫画的要素を含んだ作品になっています。
話が暗くなり過ぎないように、しっかりと笑えるギャグシーンがちょいちょいと挟まれていますし、男性読者を意識した潮や澪、女性の描写もしっかりあるので、いわゆる少年ジャンプ漫画らしさも保っています。
また、サマータイムレンダは巻が進むにつれて戦闘シーンも多く描かれていくようになる作品です。ここまでサマータイムレンダはサスペンスホラー漫画だと書いてきているので、「何と何が戦闘するのか。」という話にはなりますが、そこはネタバレ的要素となってしまうので詳細の紹介をここでは控えます。ですが、その戦闘描写はいずれも迫力があり(構図が本当によく練られている)、手に汗握る緊迫感にあふれています。
まとめ
サスペンスものやホラー作品が好きだったり、これまで読んだことのないジャンルの漫画を読んでみたいという人には、サマータイムレンダは本当にレコメンドできる作品です。ウェブサイト配信やアプリ「少年ジャンプ+」で読むこともできますが、読み返すことを想定して単行本での読書をおすすめします。
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